お米を粉末にした「米粉」には、白玉粉や上新粉、もち粉、道明寺粉など様々な種類がありますが、これらは古来、おもに和菓子の材料として使用されてきました。中でも、もち米を材料にした白玉粉は「寒ざらし粉」とも言われ、寒い冬季に作られた冬の米粉。もち米があまっていたら素材作りから挑戦してみましょう。「米粉」をテーマにしたバレンタインスイーツ最終回です。
料理・レシピ制作 濱口正遠・濱口淳子
(natural restaurant Ours Dining)
natural restaurant Ours Diningとは?
‥‥那須高原にある人気の癒しのレストラン。オーナーシェフの濱口正遠さんと、パティシエでもある奥様の淳子さん。それぞれレシピ本をつくるほど二人の料理はオリジナリティあふれる内容です。また、野菜は500坪ほどの広い自家菜園でオーガニック野菜を栽培しています。詳しくはこちら
チョコレートの生八ツ橋(約8cm×12枚)
バレンタインスイーツはなにも洋菓子だけではありません。米粉を使った和菓子ならどんな世代にでも喜ばれます。口どけの良い生チョコレートを、ココアたっぷりの生八つ橋でやさしく包みました。
材料(12個分)
〈A〉
米粉‥‥50g
白玉粉‥‥50g
ココア‥‥8g
砂糖‥‥60g
水‥‥120g
〈打ち粉〉
ココア‥‥大さじ1/2
片栗粉‥‥大さじ1
仕上げにシナモンを振る(お子様には控えて良い)
〈ガナッシュ〉
クーベルチュールチョコレート(製菓用)‥‥70g
豆乳‥‥70g
塩‥‥ひとつまみ
つくり方
【ガナッシュをつくる】
1 小鍋に豆乳を入れて混ぜ、鍋ふちに小泡がたったら火から下ろす。
2 1にチョコレートと塩を加え、余熱でチョコレートが溶けてきたら混ぜ合わせ、ツヤのあるクリーム状に乳化したら小さなバットに移す。
3 2を冷蔵庫で約1時間以上、使用する直前まで冷蔵庫に冷やしておく。
【生八ツ橋をつくる】
1 耐熱ボウルに〈A〉を入れ、水を少しずつ加え、泡立て器でなめらかになるまでよく混ぜ合わせる。
2 蒸気の上がった蒸し器に入れ、水に濡らして固く絞った布巾を被せて15分程蒸す。
3 蒸し器から取り出し、熱いうちにひとまとめにする。
4 台の上にムラなくたっぷりと打ち粉を敷いて3を移し、まんべんなく打ち粉をまぶし、麺棒で厚さ2mm、約25×33cmほどの長方形に伸ばす。
5 カードまたは包丁(ピザカッターが便利)を使い、8cm角に定規を当てながら切り分ける。生地同士がくっつかないように切り口にも打ち粉をまぶす。
6 出来た生地1枚ずつ、中心部にガナッシュをスプーンで均等にのせ、折りたたむ。
料理のポイント
1で合わせた生地が混ざりにくい場合は、濾し器でこしてください。蒸し上がった生地はお好みの形に包んでください。
自家製白玉粉のつくり方
白玉粉作りは冬がおすすめです。お正月で使ったもち米が余っていたら、白玉粉を作ってみましょう。家庭で作るポイントは、白玉をしっかりと乾かすこと。伝統的な製法では冬の寒風に当てて2日間天日乾燥(寒晒)させて作りますが、雨季や高温多湿を避けた室内で、小型の扇風機で風を送って乾かすと失敗しません。
材料(10人分)餅米‥‥2合